セカンドライフを充実させる「老前整理」のススメ

「老前整理」という言葉をご存知でしょうか？生前整理と似ているけれども、意味合いが少し違う「老前整理」。人生の後半戦を安心して健康に楽しく過ごせるように、少しずつ取り組んでみませんか？

生前整理ではなく老前整理をする意義とは？

生前整理と老前整理の違い

「生前整理」とは、自分が亡くなった後に相続や遺品整理で家族が困らないようにするための整理のことを指します。つまり他者に迷惑をかけないことを目的にした整理です。一方、「老前整理」は老いに備えて自分のために行う整理のことを指します。体力気力が十分にある時期に、老後に備えてモノを減らしたり、介護や医療の希望をまとめたりと、今後を見据えて暮らし全体を整えていく作業になります。

モノの整理だけではない老前整理

老前整理は老後に備えて物事を整理し、準備をするプロセスです。モノを整理するだけでなく、法的な手続きや金融計画、医療や介護の方針を決めるなど、さまざまな事柄を整えていきましょう。老前整理を始める前には、自分や家族の将来のビジョンを明確にし、どのような生活を送りたいかを考えることが大切です。老後を迎えるための準備ではありますが、整理を進めていくうちに漠然とした将来への不安が消えていくため、現在の生活も充実していくことを実感できるはずです。

充実した老後を迎えるための３つのステップ

１）エンディングノートを書く

充実したセカンドライフを送るためには将来のビジョンを明確にすることが大切ですが、具体的なビジョンを描くことは簡単ではありません。そこで便利なのが市販のエンディングノートです。記載された項目に書き込むことで、自然と自分の気持ちと向き合うことができ、将来の希望が浮かんでくると思います。エンディングノートは様々なタイプが販売されていますが、項目が多いものがおすすめです。

【エンディングノートの項目例】

本籍地や誕生日などの基本情報
遺言書の有無
資産情報（株式、不動産、預貯金など）
人に貸している／借りているお金
生命保険
ローン・サブスク
医療や介護の希望
葬儀、お墓の希望
形見分けの希望
友人、知人、職場の連絡先
家族へのメッセージ　など

２）モノの整理をする

年齢を重ねていくうちに、もう使わないモノが増えてきているのではないでしょうか。育児用品や多すぎる食器や寝具、壊れた家電製品など、まずは明らかに不要なものから手をつけると勢いがついて作業がスムーズに運びます。モノの整理は将来遺品整理をする家族のためだけではありません。ライフステージに合わせた持ち物を厳選することは、現在の暮らしを驚くほど快適にしてくれます。最近では老後の生活を綴ったライフスタイルの書籍も多く販売されています。先輩方の暮らし方を見ながら自分のスタイルを模索するのも楽しい作業になりそうですね。

３）お金や保険の見直しをする

若い頃に加入した生命保険は現在の生活に合った補償内容になっているでしょうか？子どもが巣立った後には手厚すぎる補償内容だったりする場合がよくあります。また、保有している投資信託や株式などもライフステージに合わせて一度見直しておきましょう。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。「お金」は老後の暮らしを不安に感じさせる大きな要素ですので、納得のいく計画を立てて、気持ちをスッキリさせたいですね。

早めの老前整理はメリットがいっぱい

ここまで老前整理の方法をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？部屋の中が不用品だらけ、生命保険の証書を探し出すので一苦労、という方でも、少しずつ老前整理を進めていけば将来の見通しが立ち、不安が減り、気持ちが前向きになってくるはずです。そして整理と並行して体力づくりもぜひ行っていきましょう。健康あってこその充実したセカンドライフ。運動習慣や食生活の見直しで健康寿命を延ばして充実した毎日を過ごしていきたいですね。